人生を豊かにしたいなら、ワークライフバランスなんて大事にしてはいけない
「ワークライフバランス」という言葉は、いつから使われるようになったのだろうか。
「ワークライフバランスが大事」
「ワークライフバランスの取れる会社です」
社会人が当たり前に使うこの言葉なのだが、
僕には「ワークライフバランス」という考え方は、どうしても人の生活をダメなものにするものに思えてならない。
ワーク・ライフ・バランス(英: work–life balance)とは、「仕事と生活の調和」と訳され、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる」ことを指す。
(Wikipediaより)
ワークライフバランスを大事にするなと言っても、
- 休みを取らずに、せっせと仕事をしていなさい。
- 仕事ばっかせずに、家庭を大事にしなさい。
僕が言いたいのは、こういった類の事ではない。
言いたいのは、
「ワーク(仕事)」と「ライフ(人生)」
に明確な線を引き、分け隔ててしまう事の危うさである。
「ワークライフバランス」という言葉が盛んに言われるようになったのは、2000年代後半の話である。
不況の煽りを受け、ブラック企業や過労死の問題が顕在化された事により、
ワーク = 負担を強いるもの。ストレスのかかるもの。
ライフ = それ以外の人生をより豊かにするもの
という考え方が強く意識されるようになった。
これにより、「ワーク」と「ライフ」を分けましょう。
「ワーク」は辛いけど、その分「ライフ」の時間を増やしましょうという「ワークライフバランス」の考えが一般化がしたのである。
しかし、実際のところ
サラリーマンは1日の大半を「ワーク」に使わなければならない。
もっと言うと、二十歳から六十歳までの四十年間、つまり人生の半分は「ワーク」に使うわけである。
人生の半分は、負担のかかる事をし続ける。
「ワークライフバランス」を大事にするとは、そういう事である。
しかし、人生をより豊かにするためにするべき事は、
決して「ワーク」と「ライフ」を分け隔てる事ではなく 、「ワーク」という時間を、いかに「ライフ」に組み込めるかという事だと思う。
夢中になって仕事をしている最中に、ふと「仕事をしている感覚」を忘れる事がないだろうか。
僕はこの感覚を、できるだけ多くの時間感じるようにする事が大事だと思っている。
仕事が、いわゆる仕事から離れ、人生の一部になった時、それは人生が豊かになった証拠だと思う。
もちろん職場環境によって、どうしても仕事が負担にしかならない場合もあるかも知れない。
しかし、安易に「ワークライフバランス」という考え方で解決しようとするのは、人生をより豊かにする方法ではない事を覚えておいて欲しい。