日本人はなぜ働き過ぎるのか【ベンチャーの新人事制度から考える】
最近とある記事を読んで『日本人の働き方』について思った事がある。
タバコを吸わない人には、特別に有給を付与するというあるITベンチャー企業の新人事制度についての記事だ。
タバコ吸わない社員に「有休」増やす ユニーク制度企業に効果を聞いてみると... (J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース
この制度の名前は「スモ休」。非喫煙者に年間6日の有給休暇が与えられる。導入するのはウェブマーケティングを手がけるピアラ(本社・東京都渋谷区)。同社サイトの2017年8月の発表によると、勤務時間内外を含む非喫煙者で、かつ6か月以上勤務している正社員に対し、従来の有給に加えて1年あたり6日増える。9月1日から実施するという。
正直この記事を読んで、笑ってしまうくらいバカバカしいと思ってしまった。
そう思ったのは、何も「非喫煙者」に有給を特別に与えるというこの制度自体についてでは無い。
この制度ができるに至った経緯が『日本人の働き方』を顕著に表しており、バカバカしいと思ってしまったのだ。
この制度が出来たきっかけは以下のように記されている。
きっかけは社内に設けている「目安箱」。匿名で社長に訴えることができ、そこに「喫煙者は通常の休憩時間以外にも1日数回業務を離れることがあり、非喫煙者との間に生じる業務時間の差は問題ではないか」との意見が寄せられた。これにもとづき、不平等感解消に加え、健康増進のためにも、「スモ休」を制度化した。
業務時間が長ければ評価される
この制度が出来た発端の意見は、「非喫煙者」と「喫煙者」の業務時間の格差にある。
「喫煙者」はタバコを吸う分、「非喫煙者」より業務時間が短いから不公平だという意見である。
ここに『日本人の働き方』に対する意識やそれに伴う悪しき人事制度が表れていると思う。
要は、「業務時間」は長ければ長いほど優遇されるべきという人事制度なのだ。
もっと言うと、椅子に座ってる時間が長ければ長いほど優遇される制度な訳である。
つまり40分で仕事を終わらせて、残りの20分休憩やタバコを吸っているよりも、60分間仕事をしているフリをしていた方が評価が高くなる可能性があるのだ。
これだと、我々日本人が休んでる暇など無くなってしまう。
日本人の労働時間は減らない
事実日本は、世界でも有数の労働大国である。
それにも関わらず、一人当たりの生産効率は先進国の中でも群を抜いて低い。
それは「労働時間」が長ければ長いほど評価されるという人事制度に原因があるのではないかと思う。
もっと1日において、どのくらい仕事をこなしたかで評価されるべきなのであり、決してどれだけ椅子に座っていたかでは無い。
この意識が圧倒的に日本人には欠如しているのだ。
「喫煙者」と「非喫煙者」の業務時間の格差などで人事制度を決めるべきではない。
もっと大事なのは、タバコを吸おうが吸わまいが、仕事をきちんとこなせるかなのだ。
この労働時間を基準とした、とあるITベンチャー企業の人事制度を手放しで称賛する訳にはいかない。