体罰って違法じゃないの?体罰の違法性や基準
トランペット奏者の日野皓正さんが中学生に往復ビンタした事が話題になっていますね。
この騒動に対して、様々な意見があると思いますし、それは良い事だと思います。
ただ、この議論をする上で圧倒的に欠如している視点があるのではと思ったので、ここに書かせてもらいます。
それは、
子供への暴力って違法じゃないのか?
という視点です。
正直『体罰』が良いか悪いかなんて、誰にも分からないと思います。
トランペット奏者に叩かれた中学生が改心して素晴らしいミュージシャンに育つかも知れませんし、逆に社会に復帰できないほど心に深い傷を負ってしまうかもしれません。
だから『体罰』を善悪で語るのは少し違和感を感じるのです。
しかし、体罰に対して1つだけ明らかな事は、それは『暴力行為』であるという事です。
仮に会社の不真面目な後輩に往復ビンタをしたとしましょう。
事情にも因るでしょうが、相手に訴えられたら懲戒免職は免れませんし、暴行罪や傷害罪が適応されてもおかしくないでしょう。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
では大人から子供への『暴行行為』は許されるのでしょうか。
ここに、文部科学省が平成25年に各都道府県教育委員会に宛てた「体罰」に関する通知があります。
体罰は、学校教育法第11条において禁止されており、校長及び教員(以下「教員等」という。)は、児童生徒への指導に当たり、いかなる場合も体罰を行ってはならない。体罰は、違法行為であるのみならず、児童生徒の心身に深刻な悪影響を与え、教員等及び学校への信頼を失墜させる行為である。
体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知):文部科学省
この通知のなかでは、はっきりと体罰は違法行為であると明記がされています。
誤解をまねかない為に、もう一度言いたいのですが、僕には『体罰の善悪』は分かりません 。
けれども現状、限りなく違法行為に近いのは間違いないようです。
つまり仮に、中学生を改心させようとして『体罰』を働くと、違法性を帯びてしまうのです。
この認識を大人達(教師)も子供達(学生)また、それを議論する周りの人たちも持たなければいけない気がします。