猫を眺めてたら警察を呼ばれそうになって、全てが嫌になってしまった。
深夜に家の近所を散歩するのが日課になっている。
近くの自動販売機で大好きなアイスカフェラテを買って、お気に入りの音楽を聴きながら小一時間フラフラと歩く。
嫌な事とか日々のストレスを少しだけ忘れられる気がするから、とても好きな時間だ。
昨日は散歩中に黒猫に会った。
あまりにも逃げないもんだから、可愛くなってつい近寄って喋りかけてしまった。
長いこと道路に座り込んで眺めてたら、近くの民家の人が不審に思ったのか警察呼びますよって。
まあ無理もないよね。深夜に道端で猫を眺めているんだから。
結局、猫がつい可愛くて〜って言って逃げるようにして帰った。
民家の人は何も悪くない。
逆の立場だったら、やはり不審に思って警察を呼んでしまったかもしれない。
けれども、なにか全てがとっても嫌になってしまった。
深夜に猫を眺めてしまった事。
ただ猫を眺めていただけなのに、警察を呼ばれそうになってしまった事。
そしてそんな世の中を生きていかなければいけない事。
みんながみんな『不審者』にならないように、押し殺して生きなければならない世の中。
決して異質に見られてはいけない。
学校でも職場でも、電車の中でも、例え道端でも。
何か全てがとっても嫌になってしまった。
僕はただ猫を眺めていただけなのに。